先輩先生からのメッセージ【2022年】

  幼稚園教諭として働く中で、年少・年中の担任を経験しました。子どもたちと日々関わる中で学び感じた事は、大きく分けて二つあります。
  一つ目は、子どもたちへの声掛けの大切さです。例えば、話を静かに聞いてほしい時、「静かにして！」と頭ごなしに注意しても子どもたちには届きません。「○○ちゃんはお話を聞く姿勢になっていて、かっこいいね！」と他のお友だちを褒めるなど工夫をする事で徐々に注目が集まってくる事もありました。また、担任が日頃よく使う言葉にも注意しなければならないと感じました。なぜなら、普段、私たちが何気なく口にしている言葉一つ一つが子どもたちのボキャブラリーに追加され、影響を与えてしまうからです。
  二つ目は、環境作りの大切さです。子どもたちが過ごしやすいように保育室を整頓しておくという様な目に見える環境作りは必須です。しかし、子どもたちがありのままの自分で過ごせるかという目には見えない環境作りも、保育をしていく上では大切になってきます。怒られてしまうから、ダメと言われるから、と子どもたちが委縮してしまうような環境では、子どもたちがストレスを感じ、楽しく園生活を送ることが出来ません。大人でも職場環境が悪いと自分が持っているポテンシャルを最大限に発揮する事が困難な様に、子どもたちも、ありのままの自分を受け入れてくれるという安心感や、担任への信頼が無ければ、学び得る事が学べなかったり、育まれるべき事が育まれなかったりします。子どもたちの成長を支えていく上で、目に見える環境作りは勿論、子どもたちを否定するのではなく肯定し受け入れてあげる事が大切だと感じます。
  私がこの二つの事柄に気づく事が出来たのは今まで関わってきた子どもたちや保護者の方のおかげです。これからも保育者として日々成長できるよう、精進していきたいと思います。